2010/10/13

自分たちで考えなければ結局、高くつく


世田谷区の予算規模は2500億円。そのうち国や都から来るお金で、右から左という、例えば子ども手当などを除けばざっと2000億円くらいであるそのうち人件費はだいたい500億円。事実上、人件費は最大の支出項目である職員給与は給与条例主義という、いかめしい主義のもと、条例で定めたもの以外の支出は禁じられている。条例を定めるのはもちろん議会それほど厳格な言い方がされているにもかかわらず、人件費の議論は議会でされていない世田谷区は都内最大の職員数を抱える巨大自治体である。五千人の職員がいる。その人件費の議論が23区一緒で行っているのである要するに区外で事実上決められている。そのことの弊害は大きい。そもそも予算委員会等でも実務担当者が区役所にいないので現場の議論の概要は伝聞型でしかない区役所での担当は職員厚生課長ということになるが、昨日は記事にあるように飯田橋にある特別区人事委員会にまで出向いて勧告を取りに行っている状態である記事にあるように「今年度の23区全体の人件費は約75億円削減」とあるが、おそらく世田谷区だけにあてはめて見れば7億円前後の削減ということになるのだろう(23区の中での世田谷の割合はどのような場合でもだいたい1割という見当で考えればそんなに外れていないと言われる)となれば、今年度の予算で7億円が浮く、ということになるのだろうかそこがまたややこしい。23区で財源調整をやっていて、その調整を都がやっているからである要するに人件費はすべて公務員が決めているのが実態で、最後の決める部分で議会を登場させるという、ことその昔、世田谷区の委員会で、「こんなことじゃ議会なんて三文判みたいな役割じゃないか」と発言したら大問題となり委員長が激怒したことがあったけ・・・議会の多数派には「おまかせ民主主義」を肯定する向きもある。特に昨今の政治主導を掲げた政権党のハチャメチャぶりを見れば、役人にまかせておいた方が良かったんじゃない、という声も多く耳にする。確かに役人は試験で選ばれただけあり優秀であり、並の議員の平均レベルを超えているそして目の前の失政や失敗はしないのかも知れない。しかしその優秀な役人たちが目に見えにくい所で、しでかしたことは何であろうかそれは一千兆にものぼる借金の山である。この山が“噴火"したら、言うのも申し上げないが、日本全国が、夕張市になってしまうのであるだからこそ、「おまかせ民主主義」詳しく言えば「役人おまかせ民主主義」のこと、から脱して区民の代表としての議会機能をあげて、情報を公開させ、みんなで議論できる状況にしようと孤軍奮闘しているのだが・・・結局、「おまかせ」オンリーでは高くつのである。公務員給与を役人の手から区民の手に!