2010/06/19

世田谷版事業仕分け 傍聴記 実況版つぶやき風

 6月19日、世田谷区政策検証委員会、別名、世田谷版事業仕分けが午前10時から午後4時まで開かれた。以下はその傍聴記。

10時から世田谷議会の大会議室で実質審議が始まった。

俎上に上がっているのは、青年の家と市民大学。

開始1時間での状況は、委員と担当部局の役人が相対しているが、役人側の方が余裕しゃくしゃくという感じ。委員側も「あり方論」から出ていないので、レンホーチックに一刀両断のようにはなっていない。【11時12分記】

今回の審議にあたって、事前に議論のポイントというアンチョコみたいな方針が示されている。

5つのポイントが委員には示されている。


1、素材事業のねらいや目的、効果、その達成状況について。

2、民間サービスが提供されているか。されている場合、民間との大きな違いは何か。

3、素材事業の民間との役割分担の見直しや、事業の中で改善できることはないか。

4、民間で行なうとした場合に、デメリットは生じるのか。

5、行政が行なうべきものか。


ということで、議論は、上記に沿って、青年の家、市民大学について担当役人とのやりとりが続く。ただし、5の行政が行なうべきものか、というところにはなかなかたどりつかない。委員としても、行政が行なうべきではない、と主張する人が現れない。本来なら、そういう主張をする人を中心に議論が進むのだが、歯がゆい、感じ。なう。【11時28分記】

 
おっ、今、市民大学に関して必要ないという委員登場。

がんばれ!

行政はなんでもかんでも、やりすぎ、という主張。

その委員は暴論かもしれないが、と遠慮ぎみに言っているけど、暴論ではないと思う。

さて、どう議論はどうなるか。【11時31分記】

役人側から市民大学の擁護論?が始まった。

市民大学には自治体を良くする人材を育てる役割もある・・・

あまり説得力ない説明。

大学の講座に移管して、利用区民にクーポン券を配ったらという意見も出る。

なんか議論というか意見が行ったり来たりで、まとまらない。

まとまらないのは役人の思う壺。【11時51分記】

 
12時14分に午前の部は終了。午後は1時半から再開。

前半(午前中)での委員長のまとめは以下の2点。


区内の13の大学との連携を考えるべき


施設は新設ではなく既存の施設利用を


特に区内13大学との連携を考えろという委員長の意見だったが、議会ではすでに私たちの会派でもさんざん主張しており、区もそれなりに手を尽くしている、はずなのだが。
【12時18分記】

市民大学について。


本日前半の議論の感想は、まず、委員長のまとめにあるように、世田谷区内には13の大学があり、都内でも大学銀座の自治体である。しかも昔と比べて、大学のオープン化には著しいものがある。また文科省の補助金行政にも地域に根ざした大学のあり方のようなものが示されている。そのことからすれば、区民が生涯学習をする環境としては、国内屈指の環境にあるとも言える。ただし交通の便が必ずしも良いとはいえないが。そのことからすれば、区がわざわざお膳立てするようなことまでして、生涯学習の場を維持することの意味合いは薄れる。検証委員会の方向性はこちらのほうに読み取れる。



青年の家について


青年の家については、老朽化にともなう改築については否定的だったように思う。それ以上の方向性は読み取れなかった。


聴いていて(議会控室でのテレビ中継を見ながら書いている、そもそもこういうのもインターネット中継するなり、 FMせたがやで中継すべき)思ったが、個々の事業の話よりも、事業の廃止の方法というか状況を論じた方が、むしろ有意義ではないかと思った。


たとえば市民大学を廃止というニュアンスの委員は記憶ではたった一人だった。それも暴論かもしれないが、という前置きをしての発言である。廃止という言葉はやはり重い発言なのだと思う。


私などは平気で廃止、と言う事が多いが、もちろん廃止と言っても、いきなり来年度から消滅ということもあるが、それだけではない。廃止にもいろいろある。簡単に言えばハードランディングもあればソフトランディングも、である。


しかしながら、財政的な逼迫の状況が増すにつれて、ソフトランディングの選択は狭まるということである。


これはある意味、高度な政治判断でもある。【13時07分記】

13時28分再開。


午後の素材は外郭団体。


担当部長による、世田谷サービス公社と世田谷区社会福祉事業団の説明が30分続く。
【13時55分記】

公認会計士の委員?が世田谷サービス公社の資金積み立てが多いのではないかの指摘。

資金を定期で遊ばせているような時代ではない。低金利で積み立てても意味がないという指摘。

それに対して、区側の答弁は世田谷サービス公社では現在20億の資金があって、会社法人の信用の担保と、将来の社屋建設の資金にと。まあ議会答弁と変わらないけど、そんなこと言っている区の財政状況だろうか。【14時15分】

世田谷サービス公社のレストラン事業を民間入札に、という意見。

これも議会でさんざん出ている考え。区側はとにかく、逃げまわって、変革に手をつけないで、ここまで来ている。この検証委員会での質疑でも、すでに議会答弁と重なるものについては、議会答弁と同じ。


なんだか、委員の疑問とか指摘を聞いていると、すでに議会で何度となく質された内容と重なる部分が多い。要するに議会ですでに指摘されたことばかり。議員も委員もそんなに感覚に違いがあろうはずがない。逆に役人側からすれば、手馴れた答弁ということになる。


こんなことなら、議会で、特別委員会を設けて、外郭団体集中審議をしたらどうなのだろうか。特別委員会というものは、短期集中してテーマを絞って結論を出すというのが本来目的である。


現に土曜日にこうして議会の大会議室で行なっているのだから、議会の機能としてできるはずである。その議会の会議室にホントの議員が傍聴しているのである。これって、庇を借りて母屋を取られた議員のようにも感じる。


個別の事業の存廃ということでは難しいかも知れないが、少なくとも外郭団体についての集中審議可能のような気がする。【14時49分記】

不慣れな委員が質問すればするほど、役人側の行政自慢のオンパレードが続く状況。議会なら、そんなことまで聞いていない、と文句が出る。


委員の皆さんも役人答弁に反論できる切っ掛けを掴みかねている。特に社会福祉事業団にまつわる福祉の分野は、どちらかといえば公的分野であり、公なのか民なのかという峻別はできない、ならばなぜ区直轄ではなく事業団なのかというと、理解が進んでいるのか、そうでないのか、やりとりからはわからない。


サービス公社と社会福祉事業団を同じ外郭団体として並べるのは、自動販売機と両替機を並べて議論させるようなものである。混乱するよなー。【15時05分記】

検証委員の資質によっては、必要性の低い事業に切り込むどころか、単なる区の事業の説明会になってしまう。


仮に切り込むことができたとしても、ペーパー資料だけで判断することは、実は危険である。外郭団体については、根拠法令、運用実態、区側のタテマエとしての説明、ホンネの数字、本来の目的外の有用性、外郭団体の予算にあらわれない見込み予算の実態、と様々な側面がある。今回の資料提供は主に区側のタテマエとしての説明が用いられているにすぎない。【15時24分記】

あらら、いつの間にか世田谷美術館の割引券を作れという話になっている。

区民の立場からすれば利用施設は安いほうがいい。

でも、そんな委員会なの、って感じ。


外郭団体の議論というより、福祉の話に入っていくとまとまらない、歯がゆい。


誰か、サービス公社と事業団を廃止したら区政はやっていけないんですか、って訊かないかなぁ。


実は外郭団体は幹部職員の定年後の再雇用の受け皿となっている。そういう側面からの存在理由もある。そんなことは資料には一切載っていないから、質問もでないんだろう。【15時37分記】

もうそろそろ終了時刻。

委員会の進め方は、座席の端から順番に委員が役人に対して質疑をしていく方式。委員同士の議論はない。どちかかと言えば、聞き取り調査に近い。午前の部の感じからすると、最後に委員長がまとめの話をして終了という、ことに。


明日もあるが、それを含めて来月12日、参院選の翌日、提言の取りまとめを作るとのこと。どんなものが出るんだろうか。


今年度中に全体予算を削らなければならないのは、54億円。今後経済状況がいくらか良くなって税収が増えたとしてもケタが変わるわけではない。【15時49分記】

株式会社世田谷サービス公社の社長の給料は社員の給料より低い、という事実はあまり知られていない。おそらく課長級より低い。世田谷トリビアである。こういうことからして、表面的な資料から連想できない事実がある。


委員長のまとめが始まったが、想像上のサービス公社や社会福祉事業団と現実の有り様との間に相当の誤差があるようだ。


おっと、公認会計士?の委員から委員長のまとめに異論を挟んだ。

サービス公社のあり方について、障がい者雇用が大きくクローズアップされたが、そのことと外郭団体のあり方は本質的に関係ない問題ではないかとの指摘。つまり、障がい者雇用を受け入れて、それでも利益が出るサービス公社の営業構造は、特別な利益が付されているのではないか、それは普通の企業のあり方と異なるのではないかという指摘。もちろん委員は障がい者雇用を否定しているのではない。むしろ大事なことだと述べているのだけど、それと企業経営を一体化して、それでも利益が出るという、つまりドレッシングされているのは妙だということ。


これもずいぶん前に私が指摘したことなので、まさにそのとおりだと思った。というより、サービス公社の議論では常に区側は障がい者雇用の問題を持ち出して、存在意義を強調することが伝統的に行なわれてきた。が本当にこういう形でしか障がい者雇用は進められないのか、もっと別の方法があるように思う。何か単なる言い訳に使われているようで、愉快ではなかった。


委員長は少し慌てふためいた感じ。その意見も取り込むような感じで後を引き取りまとめを続けたが。なんだかよくわからないまとめに聞こえた。


4時を少し超えた時点で終了。【16時17分】