2009/10/29

無理な解決方法

●先日の関門海峡での衝突事故。護衛艦のくらまがコンテナ船によってこんなにペシャンコになってしまうのかと、驚いた●日本の防衛(状況)について余りにも知らないのが現状ではなかろうか●新政権になって日米安保が揺れている●新政権が自民党政権のやってきたことを全部ひっくり返したい意気込みは理解できるとしても、こと外交・安保について、生活者の視点だけではどうにもならない●外交・安保の世界は、言わば“インテリ暴力団”の抗争のような世界であろう。ちょっとした失敗でもミサイルが飛んでくる●およそ地方自治ではあり得ないコトである●国政には地方自治の延長線上で解決できる問題と、全く異なる価値観でしか解決できない問題があることを再認識すべきだ。そこに新政権の弱点があるのだろうから。

2009/10/27

沈まぬ太陽

●先日、久々に封切り日に映画を見た。3時間22分。飽きずに見終わったが●登場人物を中心に見れば大きなストーリーの山があるわけではない。勧善懲悪の切れ味もない。爆発することのないエネルギーが蓄積されたまま最後まで続くという、言ってみれば不完全燃焼型の映画である●ただし日航機墜落のドキュメンタリー風の映像が全体を引っ張っている●視点は別の所にある。現在問題になっている日本航空である●その意味からすれば主人公は会社である。特殊会社とはいえ、売上げで成り立つ会社であるにもかかわらず、その会社員や取締役が、経営という尺度で判断しない、行動しない、そういうゴタゴタ劇とも取れる●それが映画だけのことなのか、日本航空にも通じることなのか、はたまた日本郵政の明日を示しているのか。少なくとも政治に翻弄される会社というのはロクなことはない。

2009/10/26

自民党の眠り

●この日の民放トップニュースは薬物タレントの裁判だった。傍聴券に6千人の列とか。貧困、格差、経済不況等々の問題をさしおいて、興味本位のニュースに時間を浪費するテレビ局の姿勢には辟易するが●さて本日のトップではなかった新首相の演説●ビデオで見たが親近感を覚えた●それもそのはずである。民主党がとってきた戦略は一貫して地方政治を国政に持ち込み“料理”して見せることである。一つの理由は政治と生活が直結する部分で国民の関心を引きつけること。そしてもう一つは地方政治の分野以外では民主党は政策がバラバラだからである●つまり鳩山首相の演説はそのまま世田谷区議会でも違和感がない、ということである●日米関係がどうのとか、財政赤字がどうのとか、そんなことよりも身近な政治を語ることで掴んだ勝利である●もちろん大きな政治を掲げた自民党は為す術もなく大敗した●その縮図が国会である。首相の演説中、NHKのカメラは本会議場をくまなく映し出す。それが左である。首相演説が始まって10分ほどである●大きなマスクも何だかなあと思うが、その横で完全に居眠りしているように見えるのも、疲れ果てた凋落自民党を象徴している。少なくともこれでは民主党がダメなら自民党とは当分いかない。

火事

●日曜の朝、外が騒がしい。何やら叫んでいる。窓を開けると180m先の集合住宅の一角から煙と火柱が見えた●すでに消防車が多数かけつけて消火活動中●鎮火までに約2時間。火元の住人が怪我をした以外は人的被害はなかったらしい。ただし周辺の居室が浸水被害●素人目で見ていて放水の高さが火元の5階までなかなか届かない感じがした。また5階まで届くはしご車も到着まで時間を要した観もある●発災場所は道路付きはかなり良い。また消火活動の展開もしやすい場所である。が5階となるとけっこう大変●この災いを例にというわけではないが、主要道路から細い道に入った5階以上の建物は火災に要注意である●普通、人間は火災に遭遇することは、そうあることではない。だから想像しにくいかも知れないが、万が一のことを考えて消防署から自宅までの経路を点検すべきである。それにしても向寒の折、お見舞いと同情を禁じ得ない。

2009/10/22

25対25

●世田谷区議会で可否同数という事例は、戦後の混乱期を除いて、ない。現有議席51。議長を除く表決権を有するのは50。それが10月20日の議会で25対25の真っ二つに割れた(原因は左の記事参照。ただし勘違いで済むレベルではない)●中学校給食費会計決算の認定である●結果は議長が認定してしまったので例年通りに終わった●予算と異なり決算認定は直接区民生活に影響しない。仮に否決(不認定)となっても東京都にそういう報告をするだけである●じゃあ何のために決算審査をするのかと言えば、基本的には不正防止である。議会の目にさらすことで税金の勝手な使い方を許さないということである●加えて次年度の予算への参照意見を述べるという意味合いも含まれる●もちろんこの問題については決算委員会を通じて追及の矛先に立って、反対の論陣を張った。普通の区民感覚からすれば当然であろう●それにしても議会における賛否の一瞬というのは非情である。レントゲン写真のように議員の背景を投影させてしまう。時として思わぬ異変が明らかになることがある。

2009/10/13

同意

●行政委員会の長への出席要請が、今回の決算特別委員会で行 われた。監査委員以外では初の試みと言える●初めて、つまり前例がないということで、運営委員会では議論があった。自民がいくつかの懸念を示したが、とり あえずやってみましょう、ということで落ち着いた●そして昨日、文教領域で民主が質疑し、自民の懸念も杞憂に終わり、特段問題もなく終了した●それにして も、その質疑を見ていて思ったのは、イメージが随分と異なっていたことである●議会は行政委員会のメンバーや他の重要人事について、区長から同意(賛否)を求められる。それらは事実上“書類審査”のみで“働きぶり”を知る術がない●今回の委員会で、端無くも“働きぶり”をうかがわせる場面に遭遇し“書類審査”だけではもはや時代遅れではないかと感じた●恐らく日本全国の自治体で見たこともない人に同意する“慣習”が続いているのだろう。

2009/10/08

竜巻どうすれば


●今回の台風18号の区内での被害は、床上・床下浸水等はなく、北沢地域で1件だけ地下車庫浸水があっという●たまたま飯田橋に午前中用事があり、私鉄は新宿まで通じているものの、そこからJRが運休ということで、バタバタしてしまった●それにしても、台風接近にともない明け方NHKを見ていたが、竜巻注意報が突然出て、どうしようという感じだった。夕方になると茨城県あたりでの竜巻被害はいかにもすさまじい●被災地もピンポイントのようだし、東京都といっても、どこだ!という感じ。いったい、竜巻注意報にはどう対応すべきなのか。

2009/10/05

地球温暖化&ブラタモリ

●先日、NHKのタモリ氏の番組を見ていたら、縄文前期、つまり約5千年前の関東は左のように、かなり海面が上昇しており、世田谷の東はほどんど海岸のようであったらしい●さいたま市に行くには埼京線ではなく舟で行くという感じである●5千年という時間をどうみるかであるが、やはり大自然の営みには勝てないなあ、というのが率直な感想である●海面が上昇するくらいだから当時の世田谷も暑かったのであろう。もちろん当時の人類の影響度は微々たるもので、少なくとも人類のせいで海面上昇が起きたのではない●地方自治に関わる身として、環境問題は重要なテーマである。視野に入るのは今後50年せいぜい100年後までのことでしかない。叡智を絞って、人間社会がしでかした温暖化ガスを削減するのは当然としても、地球の営みまでは変えられないと考えるとため息が出る。

2009/10/04

今必要なこと

●世田谷区の本庁舎問題の調査から、本庁舎としての災害対策機能が著しく不足していることがわかっている●ここで問題なのは、その災害対策機能を本庁舎の改築問題と絡めて考えるか、どうかである●つまり本庁舎の問題が解決するまで、この不足している機能を、そのままにしてしまって良いのか、ということである。災害はいつ来るかわからない。来るまでは“余計なお世話”という扱いになりがちだし、今日困っている人の対応を考えた方が議員としては頼もしい●もちろん、だから早く改築を、という意見もあるが、本庁舎の議論は“未来の世田谷”であり、地方自治すなわち住民自治をどうするかという議論なしには進まない状況にあるのも実情である●私たちの会派では、本庁舎の問題と切り離して、いくらかでも災害対策機能の不足分を早めに手を打つべきだと主張している●左の渋谷区は日本最大クラスの繁華街を抱えているとはいえ、鉄道会社の無償提供とも相まって進んでいる●ハッキリ言って、区民の皆さんが想像している以上に世田谷区の災害対策は遅れている。

注目の大阪高裁


●関西の情報は東京にあまり伝わらない。東京では東京の状況が日本の状況のように錯覚しがちである●特に自治体関係者はそうである。しかし全国の地方自治体は財政破綻と隣り合わせの所が大半。地方議会の中でも、このままでは行かない、と感じている議員も少なくない●その議員OBが放った一矢が今注目されている●“無駄遣い”の定義は実はむつかしい●もちろん不正は無駄遣い以前の問題で、なくすのは当たり前だが、不正とは言えない分野での“無駄遣い”を見つけるのがむつかしい●行政の制度は外からは見えにくい。しかも時間が経過すると本来の趣旨とは異なっても歴史的な重みだけで継続されていることが多い●そこに“無駄遣いの痕跡”は潜んでいる●無駄遣いは掘り下げていかなければ見つからない●左の裁判も議員たちの足元にあった問題である。誰もが掘り起こそうとしなかった●“無駄遣いの発見”は発掘調査のような仕事だ。

2009/10/02

決算委員会 ナゾの6日間

区の職員のミスで1600万もの穴があき、それを勝手に区民の税金で穴埋めをして、良いのだろうか●すでに4月の段階で明らかになったことだが、1年間に渡り中学校給食費会計を1ヵ月ミスカウントして、それを上司の課長、部長が見逃していた事件である●しかも10月1日の決算委員会では、事件が発覚する前に監査委員が例月出納検査で、予告的注意を促していたにもかかわらずである。つまり外部から「大丈夫か」と再三注意があったのに、無視していたのである●さらに問題は、課長レベルで発覚したのが3月議会開催中の3月24日のこと。課長から部長に報告が届いたのは3月30日。6日もかかっている●ちょっとわからないかも知れないが、この6日間には重要な意味がある。それは議会終了日が3月27日だったということである。結果から見れば、6日間も掛かったために議会報告が間に合わなかったということである●議会開催中の報告と閉会中の報告では意味合いは天地ほどの差がある●そこで質問したのは、果たして1600万円もの税金を新たに流用する手続きを伴う事態に、課長から部長への報告に6日も要するか、という疑問である。もちろん結果は想定通り、あたふたとした釈明に終始した。とりあえず動画はこちら(総括の【4】)。